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会計でクリニックを強くする(3)2009:09:24:15:09:02

 前回、会計をクリニック内部で作成することの重要性をお伝えしました。前回は、
外部に記帳を丸投げしてしまうと、往々にして、その中身について分からなくなっ
てしまうことが問題ですとお話ししました。それは、クリニック内部で帳簿を作
成していくことの重要性の一面でしかありません。今回は、自ら帳簿をつけるこ
との重要性について、他の面を見てみたいと思います。
 そもそも、帳簿はなんのために存在するのでしょうか?税金を計算するため?
青色申告の要件だから?・・・ 所得を計算してその所得に税金を掛けるなどと
いう複雑なことをするようになったのは、ごく最近のことです。帳簿は、太古よ
り存在していることが確認されています。エジプトのパピルスに書き綴られた売
上帳が確認されていますし、日本の江戸時代の商人は、大福帳という帳面をつけ
ていましたし、近江商人が繁栄したのは、帳簿をしっかり書いていたことが一因
だと言われています。未だ所得に基づく税金も無い頃から、事業を行うものはしっ
かり帳簿を付けていたわけです。なぜでしょう?
 それは、第3者に対抗するためです。お金が動くところには、争い事がつきも
のです。そのときどちらの言っていることが正しいかは、より強い証拠を示した
方が言っていることが正しいということになります。日々、付けられた帳簿には
「日記」と同様の証拠力があります。日々、粛々と整然と付けられた帳簿に記さ
れていることは、正しかろうと推定されるということです。
 クリニックが、経済的なトラブルに巻き込まれたとき、帳簿がクリニックを守っ
てくれるということです。帳簿をつけることは、事業を行うものが自ら身を守る
権利であるとも言えます。経済的なトラブルには、仕入先や患者との間に起こる
ものの他に、税務調査での争いも含まれます。青色申告を選択していて、帳簿が
日々しっかり付けられていれば、税務調査の際、税務署が帳簿に書かれているこ
とを否定するには、明確な証拠が必要とされています。
 前回、お伝えしたことと併せて考えますと、適時の正しい記帳は、先生自らク
リニックの業績を正確に把握し、クリニックの成長・発展の道標となるとともに、
自らを守る権利の行使であると言えるわけです。