HOME > 坂本孝司の経営雑記帳
事業承継の円滑化はわが国の喫緊の課題です(4)2008:07:22:13:44:34
TKC全国会ではこの問題に対処するために、「経営承継円滑化支援プロジェクト」を立ち上げました。日本の中小企業に少なからぬ影響を与え続けた来たTKC全国会の重点運動として位置づけられましたので、近い将来全国的に「経営承継の円滑化」の動きが広がっていくと思われます。ところで、TKC全国会では「事業承継」ではなく「経営承継」という用語を敢えて使用しています。これは、すべての中小企業を対象にして「経営の承継」に取り組む、という意図を示すためです。
そこで、すべての中小企業を対象にして、経営承継がスムーズに行われる仕組み作りを、税理士が主導して行うしかない、ということになります。この場合、以下の問題点が浮上してきます。
1.どのようにして経営承継のスキームを作り上げるか
2.地域金融機関との連携をどのようにするか
3.税理士に経営承継をアドバイスする力があるのか
事業承継の円滑化はわが国の喫緊の課題です(3)2008:07:14:10:04:30
前回「各金融機関や証券会社なども大々的にM&Aなどの業務に取り組みだしている」にもかかわらず、その「動きがどの程度わが国の企業の経営承継問題に効果があるかは、おおいに疑問が残る」と書きました。誤解を招きそうなので、この点を解説したいと思います。
最近、事業承継税制の改正の動きもあって、金融機関などは「事業承継セミナー」ないし「M&Aセミナー」を開催しています。しかし考えてもみてください。相続税が課税される社長さんは、100人中5名くらいに過ぎません。さらにM&Aの対象となるような魅力的な企業は100中1社程度ではないでしょうか。これは、中小企業を数多く顧問している税理士である私が言うのですから、間違いありません。つまり、多くの金融機関などは、事業承継の問題を、ほんの少ししか存在しない一部の優良企業を対象にしているに過ぎません。これは大きな勘違いであり、間違いです。
メガバンク以外の金融機関、より具体的に言えば、信用金庫などの地域金融機関の主力融資先は、そのほとんどが、相続税が課税されない、95%の企業なのです。この95%の企業の経営の健全化、黒字化、経営承継問題に切り込まない限り、地域金融機関の将来はありませんし、日本の明るい将来展望は望めるはずもありせん。
事業承継の円滑化はわが国の喫緊の課題です(2)2008:07:07:10:42:26
さて、このような企業減少時代にあって、会社をいかに次世代に承継させるのかが問われるところです。そこで2006年版中小企業白書に、「事業承継に関して親身に相談している相手」という資料があります。
この資料によれば、第一は「税理士・公認会計士」で49.4%、二番目が「役員・従業員」で18.1%となっており、これに対して「地銀・第二地銀」は0.6%、「その他金融機関」は0.8%、「公的機関」は0.3%となっています。
事業承継問題に関して、国は、全国の商工会議所、主要金融機関などを相談窓口に認定し、さらに各金融機関や証券会社なども大々的にM&Aなどの業務に取り組みだしていますが、こうした動きがどの程度わが国の企業の経営承継問題に効果があるかは、上記の資料から見ても、おおいに疑問が残るところです。








