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「日常会話と異なる「法令用語」「その他の」と「その他」の違い」 Vol.483 2015年5月19日発行

●「法令用語」は日常会話と異なる

職業柄、税法など法律の条文にはよく目を通します。
そこで目にする法律の中には、日常生活では特に意味の違いがないような言葉でも、立法技術上、特有の意味で使われている言葉があります。このような「法令用語」の特有の意味を厳密に理解できなければ、法令解釈は難しくなります。

●「その他の」と「その他」は意味が違う?!

その一例を紹介すると法令用語としての「その他の」と「その他」では意味が異なります。
どちらも、その直前にある語の例示として、より広い意味の語を引き出す言葉ではありますが、法令用語の「その他の」は「包括的例示」、「その他」は「並列的例示」と呼ばれ、使い分けがされています。
「その他の」の場合は、直前に置かれた名詞が後に続く内容の広い言葉の一部をなすものとして、その中に含まれる場合に用いられます。「例示の『の』」と呼ばれることもあります。例えば「佐藤さんその他の社員」という場合には、「佐藤さん」は「その他の社員」に含まれます(包括的例示)。
一方、「その他」の場合は、その語の前後の語句は独立していて,後に続く語とは別個の概念として並列的に並べる場合に用いられます。
「佐藤さんその他社員」という場合には、「佐藤さん」と「その他社員」は別個の概念なのです(並列的例示)。
前者の場合、「佐藤さん」は一応「社員」の一員であることは間違いありませんが、後者の場合、ひょっとしたら「佐藤さん」は「社員」ですらないかもしれませんね。

●「その他の」「その他」ばかりの条文は…

税法の中でも「その他の」「その他」がよく使われる条文は厄介です。たとえば租税特別措置法では「交際費」とは

(1)交際費、接待費、機密費その他の費用で
(2)法人がその得意先、仕入先その他事業に関係のある者等に対する
(3)接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出するものと規定されています。交際費等を包括する「その他の費用」は何なのか、得意先等と並列例示される「その他事業の関係がある者」、接待等と並列例示される「その他これらに類する行為」は何なのか―と考えながら、条文を読んでいるわけです。

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「専業主婦の年金に新しい手続きが開始」 Vol.482 2015年5月12日発行

●特例期間該当届・特例追納制度

今までサラリーマンの配偶者に扶養されている専業主婦(主夫)で国民年金の3号被保険者であった人が1号被保険者への切替の事由が発生した際に手続きを忘れていて、気がつかないうちに保険料未納期間になってしまっていたようなケースが多々ありました。後から気がついても保険料納付遡り期間は2年間とされていたためそれより前の期間は納める事ができませんでした。

このような場合の救済措置として4月から遡り追納期間が10年になりました。

●このような場合に手続き漏れが多い

ケース1 サラリーマンの夫が

・退職した
・脱サラして自営業を始めた
・65歳を超えた
・亡くなった
・サラリーマンの夫と離婚した

ケース2

・妻自身の年収が増えて夫の健康保険の被扶養者からはずれた(妻が会社員、夫が専業主夫の場合も同様)

このような時は本来国民年金の切替の手続きを行わなければならないのですが、手続きを忘れ未納期間が発生してしまった方も追納の手続きができるようにしたのです。

●手続きの必要のある方は

夫が退職した時や妻の年収が増えた時等は第3号被保険者から第1号被保険者への切り替え手続きが必要ですが、手続きが遅れて、2年以上たってしまい保険料納付ができずに未納期間扱いとなってしまった方です。

●手続きのメリットは

(1)未納期間があるため年金加入期間が足らず年金を受け取れないと言う事態を回避できる場合があります。たとえ保険料を納めなくとも「特定期間該当届」の手続きをすれば年金額は変わりませんが受給資格期間には算入できます。
(2)保険料の追納で年金額を増やす事ができます。届出を忘れていた特定期間について「後納・特定保険料納付申込書」の手続きで最大10年分保険料を納める事ができるので年金額に反映されます。

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「若者雇用対策法案のポイント」 Vol.481 2015年5月7日発行

若者の就業状況は採用については今春大卒予定の内定率は80.3%、高校卒業予定の内定率84.1%と共に上昇しており、雇用状況の改善はしているものの一方で新規学卒者の3年以内の離職率は、大卒が32.4%、高卒者が39.6%となっています。

●法案の概要

すでに厚労省では一定の労務管理体制が整えられていて若者の雇用や育成について積極的な中小・中堅企業で積極的に広報等を行う企業に対し「若者応援企業宣言」事業を実施していますが、今回の法案はさらに内容を強化するものとなっています。

(1)若者社員の定着率や能力向上の為の研修制度を導入する等、一定の基準を満たす企業を「若者育成認定企業」(仮
  称)として認定する。
(2)労働関連法の重大な違反があった企業にはハローワークでの求人受付をしない。
(3)フリーターやニートの正規雇用を推進する。

等が盛り込まれています。


●「若者育成認定企業」の認定条件

(1)3年以内の離職率が30%以下
(2)年次有給休暇の取得率が70%以上、又は10日以上
(3)平均残業時間が月20時間以内、又は週60時間超えの人が5%以下

このような条件全てが満たされる企業が対象で助成金も支給される予定です。
また、新たな税制優遇措置として若者(概ね35歳未満)の採用、育成に積極的な企業で、通常の求人情報より詳細な企業情報、採用情報を公表し、上記の認定を受けた企業には取得した研修施設の建物、OA機器等の設備についての割増償却制度を創設する事も法案に盛り込まれています。

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「安全な職場を作るには」 Vol.480 2015年4月28日発行

●3次産業の職場の労災防止対策

労働災害のうち、4日以上仕事を休まなければならない労働災害は年間12万件近くもあり、このうち4割以上の災害は、小売業、社会福祉施設、飲食店等の「第3次産業」で発生しています。職場で次の様な事は無いでしょうか。原因を見てみます。

※転倒・・急いでいる時等に放置された荷物や台車につまずく、濡れた床で滑る等。
※急な動き・・重い物を無理な姿勢で持ち上げたり、移動させたりするときにぎっくり腰になったり筋を痛める。
※墜落・転落・・脚立やはしごなどの上でバランスを崩して落ちる。階段で足を滑らす。
※その他・・交通事故、通路でぶつかる、ドアに手を挟まれる、刃物で手を切る、やけど等。

●労働災害の発生と原因

第3次産業では年間約5万人以上の人が労働災害で4日以上仕事を休んでいます。
また、転倒、急な動き、無理な動き、墜落、転落、交通事故(道路)が事故としては多く、これらの原因で7割を占めています。労働災害の原因を放置したままでは安全・安心に作業する事ができず、作業効率も下がります。さらにケガで休業すると他の人への負担もかかります。災害を防ぐには職場の危険な個所や動作を察知して知らせ、脚立、台車などの正しい使い方を学び全員が安全行動を身に付ける事が大事です。

●労働災害を防ぐには

※4S活動・・4Sは整理、整頓、清掃、清潔の事で、日常的に行う事で災害防止だけでなく、作業のしやすさや効率化も期待できます。
※KY活動・・KYとは危険予知の事です。業務を開始する前に「その作業にはどんな危険ポイントがあるか」を話し合い、危ない箇所の対策を決め、行動確認等を行います。
※危険の見える化・・職場の危険を可視化し、従業員全員で共有します。
 KY活動で見つけた危険ポイントにステッカー等を貼ります。
※安全教育・研修・・器具の正しい操作等の研修、新入社員には入社時に教育します。
※安全意識・・安全活動を進めるには、経営者、責任者が朝礼や社内報社内、メール等で全員に啓発する事も大事でしょう。

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「試用期間を有期契約にできるか」 Vol.479 2015年4月21日発行

●試用期間とは

企業が正社員等を採用する場合に一定の期間の試用期間を設けている事は多くあります。一般的な意味では採用された時従業員としての能力や適格性を評価、判断する為に設けられた期間であるとされています。
判例によれば試用期間は基本的に「解約権留保付労働契約」が成立していると解されていて、採用した者が能力や適性が無いと判断した場合には試用期間終了時などに企業が保留していた解約権の行使ができると言うものです。
但し、この解約は法的には労働契約の解約つまり解雇に当たります。労基法では「試の使用期間」は雇い入れ後14日以内の解雇であれば解雇予告は適用されませんが15日以上たっていれば解雇予告も必要になります。

●合意があれば有期雇用契約もできる

採用の際、試用期間とせず、有期雇用契約を結ぶ事は問題無いのでしょうか。労働契約は使用者と労働者の合意の上で成り立つと言う原則からすれば、労使の合意があれば良い事になります。但し、有期雇用契約は、契約期間の途中での解約はやむを得ない場合に限られています。期間の定めの無い契約解除よりも厳しい条件があるとされています。更新の可能性を含む有期雇用契約を中途解約する事は雇止めとして、解雇と同様の理由が求められます。

●試用期間の性格を持つ有期雇用契約は

判例によると有期雇用契約が従業員の能力や適格性を評価・判断する目的で設けられた場合は、期間の満了により労働契約が当然に終了する旨の明確な合意が成立していない限り、その期間が試用期間の性質を持つとされています。
つまり形式的には有期雇用契約を結んでいても、法的にみると期間の定めの無い契約を結んでいて、それは試用期間とみなされると言う事です。
実務的には試用期間を有期雇用契約とするならば、応募者には試用期間は有期契約とする旨は労働条件として示さなければなりません。採用予定者となった時も十分な説明をしておく事が必要でしょう。

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