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「修繕費か取得価額か 外壁塗装等の工事費」 Vol.453 2014年10月24日発行

所得税及び法人税において、賃貸ビル、事業用ビルの外壁塗装や室内の壁紙の張り替え等(以下、外壁塗装等)の工事費は、通常、修繕費として必要経費又は損金の額に算入されます。

●事業供用後の外壁塗装等の処理

これら外壁塗装等は、通常、当該資産の価値の増加又は使用可能期間を延長させるものではなく、減価償却資産であればこそ生ずる、よごれ、さび、しみ、損傷等の現象を予防し、現状を維持することで、予定された機能を発揮させるための欠くことのできない、いわゆる機能の維持管理のための費用といえます。
したがって、所得金額の計算上、金額の多寡にかかわらず、修繕費として処理されます。

●事業供用時の外壁塗装等の処理

最近、中古ビル(賃貸ビル、事業用ビル)の市場が活況を呈しています。築15年程度を経過した中古ビルを購入し、事業の用に供するため外壁や室内をきれいにするために塗装、壁紙の張り替えをすることはよくあります。
この場合の外壁塗装等は、無条件に修繕費として処理されるものなのかどうか気になるところです。
所得税、法人税では、購入した減価償却資産の取得価額は、次に掲げる(1)と(2)の金額の合計額と規定しています。
(1)当該資産の購入代価(引取運賃、荷役費、運送保険料、購入手数料、関税、その他当該資産の購入のために要した費用がある場合には、その費用の額を加算した金額)
(2)当該資産を事業の用に供するために直接要した費用の価額
この規定からすると、中古ビルを取得し、それを事業の用に供するために支出した外壁塗装等の工事費は、修繕費ではなく、取得価額を構成すると考えられます。

●悩ましい判断

現に事業の用に供されている賃貸ビルの取得にあたっての外壁塗装等の工事費については、微妙な問題を招来させます。このような場面に遭遇したときは、当該外壁塗装等の支出が取得価額を構成するか、それとも修繕費として処理されるかで課税所得に大きな影響を及ぼしますので、外壁塗装等の実施時期については、慎重な判断が求められます。

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「接待飲食費とその範囲」 Vol.452 2014年10月21日発行

●資本金の額1億円超の法人

具体的には、資本金の額1億円超の法人では、平成26年4月1日以後に開始する事業年度から、その支出する交際費等のうち接待飲食費(社内飲食費を除く)の50%を控除した金額が損金不算入となります。
この結果、交際費課税は次のようになります。

(1)1人当たり5,000円以下の飲食費(社内接待費を除く)については交際費等から除かれる。
(2)1人当たり5,000円超の飲食費(社内接待費を除く)については50%損金算入。
(3)(2)以外の交際費については損金不算入となる。

●資本金の額1億円以下の法人

一方、資本金の額1億円以下の法人では、平成26年4月1日以後に開始する事業年度から、その支出する交際費等のうち接待飲食費(社内飲食費を除く)の50%と年800万円とのどちらか有利な金額を控除した金額が損金不算入となります。

●事例による損金算入の選択

資本金の額1億円以下の法人の交際費等の内訳は次のとおりです。

(1)1人当たり5,000円以下の社外飲食250万円、(2)1人当たり5,000円超の社外飲食1,800万円、(3)(2)以外の交際費850万円

この場合、損金算入額は、定額控除額との比較を行わなければなりません。

比較検討の結果、(2)の飲食費1,800万円の50%を選択した方が900万円損金算入となり、(3)の800万円の定額控除より有利になります。

●接待飲食費の範囲


例えば、次に掲げる費用はこの接待飲食に係る飲食費に含まれるかどうかです。

(1)得意先を飲食に接待するために飲食店へ送迎した送迎費、
(2)食料品の中元、
(3)得意先のゴルフ接待に伴う飲食費、
(4)得意先と飲食後にその飲食店で購入した飲食物のお土産代

(1)の送迎費と(2)食料品の中元は、飲食に含まれないとされ、(3)のゴルフは、ゴルフが主たる目的でその一環としてなされる
飲食は含まれないが、ゴルフ終了解散後、別に単独で行われる飲食は含まれるとしています。(4)ですが、飲食に付随するものとして含まれるとされています。

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「案外微妙な医療費控除『医薬品の購入』とは?」 Vol.451 2014年10月14日発行

●医療費控除の対象は薬事法の『医薬品』

他の法律分野で確立した概念で、税法でも用いられるものを『借用概念』と言います。確定申告の医療費控除の対象となる『治療又は療養に必要な医薬品の購入』の『医薬品』は、所得税法には独自の定義規定は置かれていませんが、通達上『薬事法2条1項に規定する医薬品』と理解され、概念が『借用』されています。
薬事法は日本における『医薬品』『医薬部外品』『化粧品』『医療機器』の4種の運用を定めた法律です。
このうち『医薬品』とは定義を簡記すると次の通りになります。

【医薬品の定義】

(1)日本薬局方に定められている物
(2)人・動物の疾病の診断・治療等を目的とする物で機械器具等でないもの(医薬部外品を除く)
(3)人・動物の身体の構造・機能に影響を及ぼすことを目的とするもので機械器具等でないもの(医薬部外品・化粧品を除く)

(1)の『日本薬局方』とは、日本の医薬品の規格基準書、いわば薬剤師のバイブルのようなものです。このような網羅性のある基準があるのであれば、税法の概念としても借用したい―といったところでしょうか。

【薬事法の4分類の具体例】

医薬品・・・処方薬・薬局の市販薬
医薬部外品・・・薬用歯磨き・薬用クリーム・育毛剤・ベビーパウダー等
化粧品・・・石鹸・シャンプー・スキンケア等
医療機器・・・眼鏡・コンタクトレンズ・補聴器・体温計・電気マッサージ等

●『医薬品』と『食品』の区別

また、食品衛生法で規制する『食品』には、薬事法に規定する『医薬品』、『医薬部外品』は含まれないとされています。

医薬品・医薬部外品 ・・・ 薬事法
特定保険用食品(トクホ)・栄養機能食品 ・・・ 健康保険増進法・食品衛生法
一般食品 ・・・ 食品衛生法

このように割とスッキリとした立ち位置にある『医薬品』ですが、医療費控除の適用場面では限界が感じられる部分もあります。例えば、丸山ワクチンは薬事法の『医薬品』ではありませんが、医師による治療の一環と考えて医療費控除の対象とされています。一方、自宅で行う自然医食療法は、『食品』の購入であり、薬事法の『医薬品』の購入でないため控除の対象外とされます。

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「会社と社長の賃貸借 権利金の収受がない場合」 Vol.450 2014年10月10日発行

●権利金を取らない会社対社長の借地契約

会社と社長個人の間で土地を賃貸する際、権利金をやり取りしない場合があります。『会社も個人も一緒』という感覚も分かりますが、会社と個人は別人格。借地を建物の敷地として利用する場合には、税務上『借地権』が設定されたものとされます。

●会社の土地を社長個人に貸付けした場合

地主を会社、借地人を社長個人とする場合に、権利金の収受がないときは、借地権課税の問題が生じます。営利目的である会社が土地をタダで貸す訳がないということです。一般の借地権対価を会社が受け取り、同額を社長個人に渡した(役員賞与)という取扱いになります(『権利金の認定課税』)。

借地人(社長個人)借地権/給与収入

地主 (会社)役員賞与/権利金収入

この場合、会社側に源泉徴収義務が生ずると同時に、役員賞与が事前確定届出給与でない場合等には、損金不算入とされます。
ただし、会社の土地の上に社長の居宅を建てたいという場合ならば、借地契約などは行わず、その土地の上に会社の社宅として建築し、社長がそれを利用する等で対応ができるケースもあります。

●社長個人の土地を会社に貸付けした場合

反対に地主を社長個人、借地人を会社とする借地契約で権利金収受がないときは、会社側は通常支払わらなければならない権利金の受贈益を計上しなければなりません。
その一方で貸す側の社長個人には課税関係は生じません。法人に対する低額譲渡は時価課税(みなし譲渡)となるのですが、その対象となる『譲渡』に借地権の『設定』は入らないという解釈からです。


借地人(会社)借地権/受贈益

地主(社長個人) 課税関係なし


●『無償返還届出書』は提出すべきか?

これら権利金認定課税等の救済措置には『相当の地代』方式(権利金なしの更地価格×6%を収受)と『土地の無償返還届出書』(将来借主に立退料を請求せずに無償に返還する旨を記載した書類)の提出の二つがあります。
実際のところ、「入口課税」「出口課税」がされたという報告はあまり聞かれませんが、念のため届出関係はキチンとしておいた方が無難でしょうね。

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「著作権の譲渡か?役務の提供か?」 Vol.449 2014年10月7日発行

●ソフトの著作権は製作者に帰属します

コンピューターのアプリケーションソフトやシステムソフトの開発にあたって、しばしば問題となるのはその著作権です。著作権は、本来その製作者に帰属します。下請けや外注として依頼されてソフトの開発をしたとしても、著作権は依頼を受け製作した下請け企業や個人に帰属します。トータルのシステムを企画開発立案したとしても、個々のソフトを外注や下請けに依頼した場合、個々のソフトの著作権は依頼を受けた外注先や下請け先に帰属します。

●著作権は無方式主義です

著作権は登録等を要しません、これを無方式主義(国際的な方式です)といいます。要は何もしなくても製作者に著作権の権利は発生するというものです。
 そこで 後になって著作権を主張されてトラブルになることを防ぐため、ソフト開発の外注や下請けとの契約には必ず著作権の譲渡が謳われております。

●源泉所得税が問題となります

著作権の使用料には10%~20%の源泉所得税が課されますが、著作権の譲渡となると、国内での取引では、源泉所得税の対象とはなりません。しかし最近では、人件費の安い中国やインド等にソフトの製作を外注するケースが増えております。海外の外注先や、下請け先との取引での著作権の譲渡となると、今度は20%の源泉所得税が課されます。

●取引の際税金の問題が念頭にありません

しかし多くの現場担当者は、国内取引で源泉所得税を意識したことが無いため、海外にソフト開発を依頼する際に税金の問題は全く頭にありませんから、まず税理士に相談することさえ思い浮かびません。調査で指摘された場合、契約書や請求書で、役務の提供に対する対価と、著作権の譲渡の対価が全く区別されておりませんと、製作物の引き渡し自体が著作権の譲渡とみなされ外注費全体の20%の源泉所得税額を追徴されることもあります。
そうならない為には、あらかじめ契約書で著作権の譲渡対価を決めておくか、請求段階で、著作権の譲渡代金を区分して請求してもらう必要があります。

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