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「課税上の整理 医療法人もいろいろ」 Vol.434 2014年8月1日発行

●持分の定めの有無による整理

医療法人を分類・整理する場合、社団か財団かの整理もありますが、特に、相続税・贈与税及び所得税の視点から課税関係を整理する上では、持分の定めの有無によって法人を区分した方が有益と考えます。
持分とは何か、ですが、自己の出資した法人の財産に対する権利の割合を示す概念です。持分の定めがない、ということは、法人の財産に対する権利の割合はゼロ、ということです。
持分の定めのない法人として、社会医療法人、特定医療法人(国税庁長官が承認)、そして、平成19年4月1日以後設立された医療法人、さらには、まれなケースですが持分を放棄して一般の持分の定めない医療法人に移行した法人等が挙げられます。
持分の定めのない医療法人にあっては、法人の財産に対する権利を持つ人はいませんので、相続税・贈与税、所得税といった課税上の問題は生じません。
一方、持分の定めのある医療法人ですが、平成19年4月1日前に設立された法人で上記列挙した法人以外の法人で、一般的に、経過措置型医療法人と呼ばれています。
出資者は、医療法人の財産に対する権利を持っていますので、当該持分の相続・贈与又は持分の払戻し、譲渡等といった場合には、相続税・贈与税、所得税といった課税関係を招来させます。

●全所得課税か否かによる整理

法人課税では、社団や財団又は持分の定めの有無にかかわらず、原則、全所得に対して課税が行われ普通法人と変わりありません。が、社会医療法人については、公益法人として位置付けられていますので、医療保険業以外の収益事業から生じた所得に対してのみ課税の対象となっています。
また、特定医療法人は、税率が軽減されているだけで全所得に対する課税であることには変わりありません。
もっとも、持分の定めのない医療法人にあっては、基準期間がない法人の消費税の納税義務の免除特例、住民税の均等割の税率、寄附金の損金不算入、交際費等の損金不算入といった局面では持分の定めのある法人と異なる課税関係になります。

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「戻るの?戻らないの?粉飾決算で納付した法人税」 Vol.433 2014年7月29日発行

●粉飾決算で納付した税金は戻るのか?

今年も、個人学習塾大手の「リソー教育」、ゲームソフト制作会社「インデックス」と粉飾決算の報道が絶えません。皆さん、このようなニュースを耳にするたびに、次のように思わないでしょうか?―「粉飾決算で過大に計上した利益に対する法人税は戻ってくるのかしら?」と。
粉飾決算は会社法上も適法でなく、企業会計の基準にも反するものです。
いくら税金を納め過ぎの状態でも、「更正の請求をしても戻ってくるのかな?」と思うのは分からなくもありません。

●税務署が「減額更正をしないことができる」

結論を申し上げますと、税金(法人税)は戻ってきます。ただし、税法もさすがに不正のものに対しては、簡単に税金を戻してくれません。納税額が過大である場合には、税務署長は税額を更正して、その過納額を還付するというのが通常の流れですが、仮装経理(粉飾決算等)による過納額の場合には、税務署長は、その会社が「修正の経理」(判例では前期損益修正損等を計上)を行った事業年度の確定申告書を提出するまでの間は、減額更正をしないことができるという法人税法の規定があります。「架空売上を会計上直してから、税金は考えてあげるよ」ということなのです。

●更正事業年度から5年間は税額控除

また、「修正の経理」を行って、更正の請求を行えば、すぐに、その過納額の全額を戻してくれるというわけではありません。更正事業年度開始の日から5年間は、その各事業年度の法人税額が順次控除する形になります。ただし、粉飾決算の発覚により、経営が傾き、会社を解散する場合、会社更正法の更正手続開始などがあった場合には、税額控除しきれなかった金額は還付されることになります。

●過年度遡及会計と「修正の経理」の関係は?

大手の会社では「過年度遡及会計」を採用している場合があります。この場合、過去の誤謬の訂正による影響額は、株主資本変動計算書の期首の繰越利益剰余金と貸借対照表の資産・負債で訂正してしまうので、過年度修正の前期損益修正損などは損益計算書の特別損益には計上されませんが、この場合も「修正の経理」として取り扱われることになります。

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「酒類自販機の設置状況」 Vol.432 2014年7月25日発行

●平成25年度末の自販機509万台・売上5.2兆円

日本自動販売機工業会によると、平成25年度末の自販機普及台数は、509万4,000台、年間自販金額は5兆2,138億円に上るそうです。
この統計の「自販機」には、乗車券・入場券などの「券類販売機」、コインロッカー、両替機の「自動サービス機」が含まれていますが、やはり「自販機」といえば「飲料自販機」。「飲料自販機」の普及台数は259万台で全体の5割、売上は2兆2,251億円で全体の4割を占めています。「飲料自販機」の普及台数は、昨年の記録的猛暑などにより若干増加したものの、コンビニエンスストアとの競合などにより、パーマシン(1台当りの売上)が減少したため、年間自販金額も微減しているとのことです(前年比▲0.2%)。

●自販機設置の際に必要な許認可

清涼飲料を販売する自販機を設置する場合には特に許可は要りませんが、販売する商品によっては、許可が必要なものがあります。
カップ式自販機の場合には「食品衛生法に基づく喫茶店営業の許可」、牛乳自販機の場合には「食品衛生法に基づく乳類販売業の許可」、たばこ販売機の場合には「たばこ事業法によるたばこ販売人の許可」、酒類自販機の場合には「酒税法による酒類小売店免許」が必要となります。

●酒類自販機は平成8年の18万台から2.3万台に

ところで、最近、お酒の自販機をめっきり見かけなくなりました。
国税庁HPによれば、平成8年3月に全国で18万5,829台あった酒類自販機は、平成25年4月現在で2万3,631台に激減しています。これは、購入者の年齢確認ができる「改良型」の自販機導入が契機となっています。平成6年の中央酒類審議会の報告、全国小売酒販組合中央会の自主決定を受けて、国税庁は、平成7年に「酒類自動販売機に係る取扱指針」を公表し、年齢確認ができる「改良型」の設置指導を始めました。

●「改良型」機に切替えができなかった

この「改良型」は、各酒店が発行する「酒カード方式」や「運転免許証方式」「インターホン方式(対面確認方式)」があったようですが、どれも普及するに至らず、「改良型」に切替えられることなく、酒類自販機は姿を消していったということのようです。

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「拡充したトライアル雇用奨励金」 Vol.431 2014年7月22日発行

●支給対象者の拡大

以前の支給対象者は主にニート・フリーターや母子家庭の母等でしたが、それ以外に学卒で未就職者や育児等で離職後キャリアブランクのある人も対象とされました。次のいずれかの要件を満たしたうえで、紹介日に本人がトライアル雇用を希望した場合に対象となります。

(1)紹介日時点で就業経験が無く職業に就くことを希望する者。
(2)紹介日時点に学校卒業3年以内で卒業後安定した職業に就いていない。
(3)紹介日前2年以内に2回以上就職や離職を繰り返している。
(4)紹介日前において離職期間が1年を超えている。
(5)妊娠・出産・育児を理由に離職し、紹介日前の時点で安定した職業に就いていない期間が1年を超えている。
(6)就職支援をするのに特別な配慮が必要な一定の該当者。

●支給額と手続き

原則3ヶ月のトライアル雇用を行い、支給額は1人につき月4万円。最長3カ月で12万円支給されます。トライアル雇用の選考中の人数は求人数の5倍までで、それを超えた人数は対象になりません。
受給手続きは求人の際、トライアル雇用を受け入れる旨を申し出ておき、雇い入れから2週間以内に実施計画書を提出します。トライアルが終了した時は終了した日の翌日から起算して結果報告書兼支給申請書を提出します。
試行後常用雇用にならなかった時でも申請はできます。

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「内部資料見られて重加算」 Vol.430 2014年7月18日発行

●外注傭船料を原価ベースで算出

税理士会のデータベースに開示請求により開示された国税不服審判所の非公開裁決事例があります。その一つに、内航海運業の建造引当権が法人税通達で営業権とされていた10年以上前の時期のもので、興味を引くものがありました。会社側は、子会社に支払う外注傭船料につき、子会社に赤字が出ないように子会社が負担するコストをすべて積算したものとしているが、ここには架空のコストや虚偽のコストはなく損金算入可の真正なものである、と主張しました。
裁決は、子会社の営業権償却費は本来の傭船料の原価を構成するものではないので、その部分は、子会社への利益供与としての寄附金である、としました。

●税務調査で開示された内部資料

税務調査の過程で、会社グループとしての決算やグループ内取引についての資料である、「決算検討社内資料」とか、「企画部業務概要および懸案事項」などという編綴書類が開示されました。それらの中には、税務面の危惧を上司に対して説明するために作成したものが含まれており、節税財源確保のための子会社営業権償却費の利用などが記載されておりました。

●内部資料が動かぬ証拠の仮装隠蔽

この事例は、単なる過少申告加算税ではなく、重加算税の賦課とされています。子会社への利益供与を通じて請求人の課税所得金額を圧縮するために、正当な傭船料のコスト計算に基づかず、本件償却費合計額相当額を傭船料に不当に上乗せすることに子会社等と通謀合意の上、傭船料を過大とした虚偽の本件各協定書を作成し、本件各事業年度の期首にさかのぼって適用したものと認めるのが相当である、との理由です。

●処分庁の悠々とした態度

裁決書には新たな処分庁の主張はありません。税務上の問題を認識しながら、虚偽の傭船料の協定書を作成し、あたかも正当な傭船料であるがごとく仮装する行為をしている以上、傭船料の本来の時価の検討など不要との、余裕綽々の態度です。動かぬ自白証拠を押さえた強みからでしょうか。
税務調査で、コンピューター内の電子メールなどを見せるように求められるケースが多くなっているとの情報もあります。
本音でヤリトリしている内部情報が思わぬ落とし穴となることがありそうです。

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