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「日本のパスポート事情年末調整の留意点」Vol.513 2015年12月15日発行

●海外出張とビザ

皆さんは海外出張や旅行のとき、「ビザ」の申請をしたことはありますか?
おそらく、「ビザ」と言われてもピンと来ない方が多いと思います。
それもそのはず、日本のパスポート(旅券)を持っていると、そもそも海外出張時に「ビザ」を意識する必要がほとんどないのです。

●日本はノービザ渡航可能国数世界第3位

「ビザ(査証)」とは、各国が自国民以外に対して、入国しようとする人のパスポートが有効であり、かつ入国しても差し支えないことを示す証書です。
ビザの発給手続きは、入国するにふさわしいかどうかを事前判断する身元審査に当たり、基本的にはビザの発給をもって入国許可申請を行うことになります。
しかし、国同士の外交関係により、旅行や出張などの目的で短期的に滞在する場合について、このビザ発給手続きを免除する措置が行われていることがあります。
ビザの発給を必要とせず入国許可申請ができること、これがいわゆる「ノービザ渡航」です。
2015年10月、英国の民間機関が一国のパスポートで何か国ノービザ渡航ができるかを調査したところ、日本は調査対象の173か国中3位で171か国へのノービザ渡航が可能という結果になりました。
日本人にとって「ビザ」という言葉があまり馴染みのないことも、こうした環境がひとつの要因かもしれません。

●日本へ呼ぶときは少しだけ意識を

一方、日本への入国時にビザが免除されている国と地域は2014年12月時点で67。
これらの国と地域以外から日本へ来られる方については、たとえ一日の会議に参加する場合であってもビザの発給手続きが必要です。
近隣諸国で見ると、たとえば中国やフィリピン、ベトナムから招へいする場合はビザの発給を要します。
ビザ発給手続きでは、招へいする企業などから、行き先や宿泊先を示した行動予定表、身元保証書、渡航費用の証明など、渡航の目的に合わせた書類を提出します。
ノービザ渡航に比べ事前準備に時間がかかりますので、招へい予定は余裕を持って計画したいところです。

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「年末調整の留意点」Vol.512 2015年12月8日発行

年末調整の時期となりました。年末調整は、給与の支払を受ける人の一人一人について、原則、毎月の給料や賞与などの支払の際に源泉徴収をした税額と、その年の給与の総額について納めなければならない年税額とを比べて、その過不足を精算する手続きです。

●昨年と比べて変わったところ

平成26年度に改正された(1)給与所得控除額の上限額の引下げ、(2)給与所得者の特定支出の額の特例、そして、平成27年度に改正された(3)マイナンバー制度、(4)非居住者である親族に係る扶養控除等の適用を受ける場合の書類の添付等義務化は、平成28年以後の適用となっています。
したがって、本年度の年調事務には、原則、改正はありません。以下、誤りやすい事項について幾つか確認したいと思います。

●控除対象配偶者及び扶養親族等の判定時期

判定は、年末調整を行う日の現況により判定します。判定の要素となる(1)合計所得金額は、年末調整を行う日の現況により見積もった本年分の合計所得金額により、(2)年齢は、本年12月31日(所得者本人やその親族が年の中途で死亡した場合、その死亡時)の現況により判定します。
また、年末調整を行った後、本年12月31日までに控除対象扶養親族の増加などの異動があった場合には、翌年1月の「給与所得の源泉徴収票」を交付する時まで年末調整の再計算をすることができます。

●合計所得金額38万円の範囲

合計所得金額には、所得税法等の規定によって非課税とされる所得は含まれません。
したがって、非課税所得である遺族年金等がある場合には、当該金額を含めないところで合計所得金額を算定します。
また、国外居住親族の控除対象配偶者及び扶養親族等については、判定要素の合計所得金額38万円は、国内源泉所得、つまり我が国で得た所得だけで判定し、国外での所得はカウントしません。

●親族等が契約者になっている保険契約等

妻や子に所得がなく、その妻や子が契約者となっている生命保険契約等であっても、所得のある夫がその保険料等を支払っている場合には、その保険料等は夫の生命保険控除の対象になります。
但し、保険金等の受取人は、夫又はその配偶者その他の親族(個人年金保険契約等である場合はその配偶者)でなければなりません。

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「マイナンバーの簡便な収集と保管方法」Vol.511 2015年12月1日発行

●在職者の番号収集時期は

事業所はマイナンバーを収集・保管して来年からの雇用保険や労災保険、税分野の書類に関し、届出の際に使用します。事前に社内でマイナンバー事務を扱う人を決めておく必要があります。
在職者の番号の合理的な収集時期は年末調整の前の扶養控除等申告書を各人に配った時に番号を記載してもらい、マイナンバーの通知書写しを添付して、会社が確認をするのが良いでしょう。収集方法は直接か、メールでは別便パスワード付きで送付、簡易書留で送付等によって集め、会社はナンバーを記録すれば写しは保管してもシュレッダー等で廃棄してもかまいません。

●小規模事業所の収集・保管の流れの例

(1)扶養控除等申告書と個人番号の写しを提出、本人確認や番号の確認をしたらコピー等は保管しない。

(2)担当者が手書きで書面に記載して金庫や鍵付きキャビネットで保管するか、パソコンに入力して管理する時はIDを付
  ける。

(3)提出書類に番号を書く必要があった時には金庫から取り出し、番号を転記、番号は元の金庫にすぐしまう。

(4)手続や届出書の控えは、法定保存期間を過ぎたら廃棄する。

(5)退職者の書類の番号部分はマスキングしておいて法定保存期限が来たら廃棄する。

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「妻が夫の親の介護をした場合の相続」Vol.510 2015年11月24日発行

●民法の「寄与分」「履行補助者」 妻が夫の親の介護をした場合の相続

少子高齢化が進む今日においては、介護の負担が家庭の悩みの大きなものとなっています。
家庭の中でも分担が上手くいけばよいものの、どうしても負担が特定の人に偏りがちです。
妻が夫の代わりに、夫の親(義親)の介護の面倒をみるというのが、今でも典型的なケースといえます。
このような場合、妻の介護の苦労は、義理の親から相続で考慮されるかというと、原則的には、そのようなことはありません。
妻は、義親の相続人の立場にないからです。

そのため、
(1)妻を夫の親の養子にする、
(2)生前贈与や遺贈を行う、
(3)生命保険等を利用するなど、
義親が生前に妻に報いる施策を取ることが多いのですが、それができないような場面では、妻を夫の「履行補助者」として特別な寄与があるとして「寄与分」を主張することも考えられます。

●「寄与分」とは?

「寄与分」とは、被相続人の財産の維持・増加について「特別な寄与」がある場合には、その貢献度を相続分に加味しましょうという民法の考え方です。
療養中の被相続人に自ら看護を行っていた場合や、相続人の負担でヘルパー等に介護させている場合などがその一例になります。
この場合、相続人自身に「特別な寄与」があるというには、被相続人との身分関係上一般に期待できる以上の介護負担をしているほかに、無償性・持続性・専従性・介護の必要性などの要件をクリアしなくてはなりません。

●「履行補助者」と民法改正の方向性

また、学説では「履行補助者」という考え方があります。「履行補助者」の行為は本人の行為とみなすというものです。
この考え方によれば、妻という履行補助者の行為は夫(相続人)の貢献として夫の寄与分としての相続分が主張できることになります。
判例でもその考えに基づくものがいくつも示されていますが、その一方で「寄与分に履行補助者の概念を利用することに問題がある」「妻を夫の手足のように考えるのは乱暴だ」という反対意見もあるようです。
法務省の法制審議会でも「相続法制検討ワーキングチーム」が、寄与分制度の見直し案を報告していますが、「相続人以外の者の貢献等の考慮」については賛否が分かれたようですね。
2016年民法改正をめざして、居住権・配偶者・寄与分・遺留分の分野の見直しが検討されています

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「芥川賞の賞金品は所得税の課税対象「事業所得」か「一時所得」か?」Vol.509 2015年11月17日発行

●芥川賞の賞金品は所得税の課税対象?

第153回芥川賞は、お笑い芸人の又吉直樹さんが受賞して話題になりました。同賞の正賞は懐中時計、副賞は100万円だそうです。これらの賞金品については、特に非課税として所得税法に特掲されていないため、所得税が課せられることになります。
この場合、受賞の経緯が、既に公表された候補作品の中から選考委員(第三者)により選ばれるものであることから、「著作の対価」としての性質は有していない―すなわち、源泉徴収の対象(原稿報酬)とはならないものと位置づけられています。

●では「事業所得」か「一時所得」か?

では、「事業所得」か「一時所得」のどちらに該当するかといえば、少々判断が難しいところではあります。所得の区分は、「継続性・対価性」があるもの、ないしは「付随収入」としての性質があれば「事業所得」、そうでなければ「臨時的・一時的」な収入として「一時所得」となります。ただ、この新人文学賞の受賞をきっかけに作家生活(事業)が軌道に乗る方もいらっしゃることを考えると必ずしも「一時所得」とは言い切れない部分があることは否めません。

●正面から聞いてみた作家さんがいました!

東京国税局から公表されている文書回答事例の中に「吉川栄治文学新人賞の受賞に伴って受領した副賞の取扱いについて」というものがあります。これは平成10年から作家業を営んでいる方が同賞を受賞した際に受け取った副賞は所得税法上「一時所得」は該当するものと解して差し支えないか、国税局に直接文書で問い合わせたものです。
こちらの作家さんは、同賞は、(1)財団法人が選ぶもので「出版社」が選ぶものではないこと、(2)既存の作品の中から選考委員によってえらばれたもの(非公募型の新人文学賞)であって、自らが応募するもの(公募型の新人文学賞)でないこと、(3)芥川賞などが源泉徴収の対象でないように、「著作の対価」としての性質は有していないことから、作家としての本来の事業活動による収入ではなく、文筆活動を行う中で一般的に受領しうる性質のものではない―むしろ、予期せぬ臨時・偶発的収入だと主張したのです。結果としては、国税サイドではこの作家さんの主張を認めております。

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