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「決算期は何月がよいか?」 Vol.488 2015年6月23日発行

●H25国税庁「決算期別の普通法人数」

国税庁が毎年公表する「統計情報」には「決算期別の普通法人数」が掲載されています。平成25年度の統計では、年1回決算の全法人数(259万社)のうち1番多い決算月は3月の50.7万社(19.6%)で、次いで9月の28.3万社(10.9%)、12月の25.9万社(10.0%)、6月の25.0万社(9.6%)と「3の倍数」の月が並んでいます。

〔全法人(年1回決算)〕
決算月    構成比    決算月    構成比
4月       7.1% 10月      4.5%
5月       8.3%      11月      3.3%
6月       9.6%      12月      10.0%
7月       7.6%       1月      3.5%
8月       8.8%       2月      6.7%
9月       10.9%      3月      19.6%


●大企業は圧倒的に「3月決算」が多い

ただ、皆さん、想像がつくとは思いますが、大企業だけ取り出してみると「3月決算」の法人がさらに多くなります。
資本金10億円超の会社(5,190社)では決算月3月が68.0%、次いで12月が14.7%、2月が4.2%となります。上場企業だけならば、7割が3月決算となります。
大企業が「3月決算」が多い理由としては、(1)公的セクションの決算時期と合わせていること、(2)総会屋対策(横並びで開催)、(3)税法など法令が4/1から適用されるものが多いこと、(4)新卒社員を4月に受け入れるため区切りが良いなどが挙げられます。
また、12月決算は外資系企業などでは多くみられます。2月決算が多くなっているのは、大手の流通業の決算が多いからと言われています。棚卸を代行する「棚卸専門業者」の繁忙期もこの時期であるそうです。

●中小企業の決算月の選び方

中小企業の決算月はいつが良いかといえば、ルールがある訳ではないので、いつでも構いません。強いてポイントを挙げるとすれば、「決算対策」「資金繰り」の観点から選択するとよいでしょう。売上が一番多い月を期首とすれば、時間があるため決算対策が取りやすく、売上が一番少ない月を期末とすれば棚卸がやりやすい面があります。また、決算を行えば2か月後は当然納税となるため、人件費の多い会社などでは、賞与の支給月や労働保険、源泉税の支払月が法人税等の納付月と重なることは避けたいところではあります。

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「どこまで利用される?医療継続に係る納税猶予制度」 Vol.487 2015年6月16日発行

●「持分なし医療法人」への認定移行制度

平成18年医療法改正において、地域医療の安全性の確保のため、医療法人の非営利性が徹底することになりました。この改正では医療法人の残余財産の帰属先は国・地方公共団体に限定され、H19.4以降は出資持分を認めない「持分なし医療法人」のみが新設できることとなりました。
ただし、この改正は既存の「持分あり医療法人」には適用されず、「持分なし医療法人」への移行は自主的な取り組みとして位置づけらたため、ほとんどが「持分あり医療法人」として存続することとなりました。
そのため、平成26年医療法改正により「持分なし医療法人」への移行促進策(厚労大臣の移行計画認定制度)が採用されます。この制度は一定期間(H26.10から3年間)に認定を受けた医療法人に対して、各種の支援措置を行うというものです。

●医療継続に係る相続税・贈与税の特例措置

税制においても、平成26年10月より「持分なし法人」へ移行を進めようとする「持分あり法人」を対象とした相続税・贈与税の納税猶予制度・税額控除の特例措置が設けられることとなりました。
もともと「持分なし法人」への移行中には次のような課税問題が懸念されました。

・相続税
課税対象者 … 出資者の相続人等
課税対象財産 … 出資持分

・贈与税
課税対象者 … 出資の放棄があった場合の他の出資者
課税対象財産 … 増加する出資持分の価額(経済的利益)

これらの課税問題を避けるために、一定の手続・担保を行った場合には、納税を猶予するなどの制度を設けたのです。

●どれくらい利用される制度となるか?

この制度は数年来の税制改正要望により、ようやく創設されたものではありますが、日本医師会の調査などを見ると、診療所の経営者は「オーナーシップを手放したくない」という結果を示しています。

Q 持分なし法人へ移行する意向はあるか
(平成24年1月日本医師会調べ)

意向あり 5.1%
意向なし 91.8%
無回答 3.1%

診療所ではこの納税猶予等制度を利用する方は限定的かもしれませんが、病院等でどこまで利用されるか動向が注視されます。

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「複雑な問題の対処法」 Vol.486 2015年6月9日発行

どのように問題解決に取り組んだらよいか悩んでしまう複雑な問題は、しばしば戦略策定、重要な目標設定などの場合に現われます。その際の経営者・管理者の問題解決アプローチ法を紹介します。

●複雑な問題対処の原則

まず、問題の実態を的確に判断しなければなりません。そのためには“三現主義“(現地で、現物を見て、現実に即して判断する)で調査することが必要です。
人間は“見ようとしなければ見えない”性癖を持っており、漫然と調査にかかるのでは見落としが発生しますから、経営者または管理者の指導の下で、次のように調査計画を関係者全員で立てると良いでしょう。

(1).関係者をグループ(最低2名のペア)に分け、「どこで何を調査するか、調査計画」を30分程度のミーティングで検討、作成、模造紙等に書いてもらう。
(2).各グループの調査計画を順に発表し、聞き手は「どのグループのどこが問題か、または改善すべきか」具体的に指摘できるように聞く。(発表開始前に要請)
(3).発表したグループ順に、聞き手の指摘を受ける。この指摘は単純明快に“ズバリひと言30秒”の要領で行なう。指摘を受けるグループは“反論なし。(人の話をよく聴こう。)”指摘箇所に赤マーク。
(4).指摘点を整理、各グループで必要と思う調査計画の修正を行なって調査に入ること。調査結果は“見える化(写真・図解等)”をし、さらに調べたいことを付け加えて○月○日に発表(スケジュール設定)

●徐々に鋭く問題の実態に迫る

1次調査の結果から、さらに調査したいことを判断し、2次調査を行ないます。

(1).1次調査の結果を模造紙に書き、各グループの発表を行なう。聞き手の聞き方、問題等の指摘は前述と同様。
(2).2次調査計画を立て、調査を実施(調査内容は1次調査より鋭くなる。)
(3).2次調査の結果発表、指摘の交換では、多くの場合、全員の“あ!そうだったのか”という気付きが生まれ、問題の核心が明確になっている。

●経営者・管理者の留意点

人は行動し、考え、発言する中で成長し、健全に競争し、問題解決能力を高めて行くもので、このような衆知を活用するアナログ的手法が効果的です。

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「外国上場株式の配当 配当所得の課税方式」 Vol.485 2015年6月2日発行

個人の金融証券税制は、とても複雑になっています。その一因は、課税方式の選択の場面が多いことがあげられます。
具体的には、上場株式等の配当等の場合は、総合課税、申告分離課税、申告不要(源泉徴収)、非課税(NISA)です。そして、「確定申告」するか、それとも、「申告不要」とするかは、1回に支払いを受ける配当ごとに選択でき、確定申告する場合は「総合課税」か「申告分離課税」かのいずれかを選択しなければならず、また、いずれを選択するかで「上場株式等の譲渡損失との損益通算ができる・できない」、「配当控除ができる・できない」が決まります。

●外国上場株式の配当とその課税方式

昨今は、海外赴任も一般的になってきています。赴任中、現地に上場されている株式を取得、その後、帰国し居住者となって、その外国上場株式からの配当を受領した場合、課税方式の選択の余地はなく、総合課税のみの適用か、といった疑問を抱く場合もあるかと思います。
結論からいえば、当該配当の支払が国内の金融商品取引業者等を通じて実施されているかどうかにかかわらず、現地の支払代行機関からの直接の支払であっても、その配当が現地(外国)の証券取引所に上場されている株式の配当である限り、その配当所得の申告にあたっては「申告分離課税」を選択することは可能です。

●確定申告不要制度の適用の可否

外国の証券取引所に上場されている株式の配当であっても、その配当が国内の金融商品取引業者等を通じて支給されているものであれば、法律上、その配当については、源泉徴収(外国で課された源泉税があればその残額に対して)されることになっていますので、その配当は内国法人からの配当とみなされ、確定申告不要も選択することができます。
ところで、個人の大口株主(発行済株式総数の3%以上保有)の上場株式の配当にあっては、総合課税のみが適用され、申告分離課税、申告不要制度は選択できません。しかし、この総合課税の規定は、国内の上場株式についてのみ適用され、国内の取扱業者等を通じて支給される外国上場株式の配当については適用されません。したがって、現地法人の大口個人株主であったとしても、また、その金額の多寡にかかわらず、確定申告を不要とすることができますので、押えておきましょう。

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「H28.1.1以後の譲渡から適用 上場株と非上場株の損益通算不可」 Vol.484 2015年5月26日発行

H28.1.1以後の譲渡については、上場株式と非上場株式の譲渡損益を通算することはできません。株価低迷期の事業承継策で行われていた「非上場の自社株譲渡で生じた益を上場株の譲渡損とぶつける」などのプランは実行できなくなります。

●非上場株譲渡の「損出し」は要注意!

この新法適用までは1年間の時間がありますので、当年中に上場株式を譲渡して、そこで生じた益をできるだけ非上場株の譲渡で生じた損で相殺しよう―と考える方もいるかもしれません。
ここで気をつけたいのは、非上場株式譲渡の税法の取扱いです。「時価」取引でない場合、課税トラブルを招くことがあり、特に譲渡損が生じるときには注意が必要です。

(1)個人株主から個人へ低額譲渡

個人株主が時価の1/2以下で譲渡した場合には「譲渡損はなかったもの」とみなされます。この場合「上場株式の譲渡益と非上場株式の譲渡損を通算する」というプランは成立しません。買手個人側も「著しく低額」な譲り受けは贈与税が課税されます。

(2)個人株主から法人への低額譲渡

個人株主が法人へ低額譲渡した場合には、時価で譲渡したものとみなして課税されます(「みなし譲渡」)。また、買手法人側も受贈益課税を受けます(自己株式等を除く)。

●「時価」課税トラブルを避けるには

この非上場株式の「時価」の算定については、所得税・法人税・相続税の各通達規定が絡んだ専門的な知識が必要となります。非上場株式の取引をお考えの際には、事前に税理士に御相談下さい。

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