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「平成26年度税制改正大綱 消費課税編」 Vol.389 2014年1月24日発行

●簡易課税の「みなし仕入率」の見直し

 会計検査院の以前からの指摘で、実際の課税仕入率がみなし仕入率を下回っており、簡易課税適用による益税が生じている。特に、乖離が大きい金融保険業と不動産業のみなし仕入率の見直しを検討すべきとしました。
 これを受けて今回の改正では、金融保険業は第4種事業(仕入率60%)から第5種事業(仕入率50%)、一方、不動産業は第5種事業(仕入率50%)から第6種事業(仕入率40%)にみなし仕入率が引き下げられました。この改正は、平成27年4月1日以後に開始する課税期間から適用です。
 ただ、この益税問題ですが、特定目的会社(特定の事業を営むことを目的に設立された会社で債権や不動産等の譲渡が主目的)の巧妙な利用によるものが圧倒的に多く、一般の零細事業者は数こそあれ金額的にはそれ程でもなく、この会計検査院の指摘には、疑問視する声も一部にはあったようです。

●課税売上割合計算における範囲の見直し

 現行では、課税売上割合の計算において、算式の分母に金銭債権の譲渡は含められていません。今回の改正で、有価証券等の譲渡と同様、その対価の5%を算式の分母に含めることにされました。この改正は、平成26年4月1日以後に行われる金銭債権の譲渡について適用されますが、中小の事業会社にはあまり影響はないように思います。

●車体課税の見直し

(1)自動車重量税について

エコカー減税を拡充(一定の燃費基準を満たす車は2回目の車検においても免税)、一方、経年車に対しては課税強化となっていますが、急激な負担増とならない措置も講じられています。

(2)自動車取得税について

段階的な引き下げ、消費税10%引き揚げ時には廃止、別途、環境性能課税(環境性能割)を導入することとしています。

(3)軽自動車税について

平成27年度以降の新規取得自家用車は1.5倍に引き上げることとし、平成28年度分からは、経年車重課となっています(既存・新規車を問わない)。

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「トップの意思決定」 Vol.388 2014年1月21日発行

トップが必要な時に的確な意思決定をしなければ社業は停滞し、一般に大きな機会損失を招きます。

●意思決定の局面

トップが意思決定をしなければならない局面は一般に次の三つです。

1.戦略的課題の意思決定

 経営戦略を策定する局面で、ある課題(例えば販売戦略、新製品の開発、設備投資、採用、財務改善など)を現実の戦略的課題として採りあげる意思決定をすることにより、その後数年間にわたって社員が重点的に努力する仕事の領域を決定する。

2.課題解決策の意思決定

 前項で採り上げた戦略課題について、課題解決策を策定するプロジェクト体制、また検討された複数の具体的課題解決策について特定の解決策を採用し、経営資源をどれだけ投入するのか意思決定を行う。

3.実行過程の意思決定

 実行過程で、すでに決定した課題解決策・スケジュールでは目標とする業績が期待できない、あるいは予期以上の業績が期待できる状況となり、課題解決策の大きな変更が必要となった場合、変更具体策を意思決定する。

●意思決定の拠りどころは“勇気”

 適時、的確なトップの意思決定には市場・顧客・技術・法律の変化など外部環境変化の的確な状況判断と人材・資金など内部環境の評価が必要ですが、中でも重要なのは内外に存在するリスクです。
 リスクとは「ある行動に伴って(あるいは行動しないことによって)、危険に遭う可能性や損をする可能性を意味する概念」であり、「リスクが大きいほどそれを乗り越えた時の利益は大きい。」という先人の経験則があります。すなわちトップの意思決定を支えるのは“リスクの認識とそれを乗り越えるトップの勇気”にあると言えましょう。

●“勇気”の根源

 トップが意思決定の拠りどころとする“勇気”の根源は、「経営理念・社是(会社の歴史の中で実証された経営基本方針・信念)」、新しい企業では、「トップの信念に基づく自らの納得」であり、会社の存続・発展のためにトップから一般社員まで日常的に体現している企業文化の中にあります。

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「古くて新しい?定番のご質問 スーツの必要経費性」 Vol.387 2014年1月17日発行

●給与所得者は『特定支出控除』拡大(平成25年)

 スーツを着て商売をなさる方から『スーツは経費にならないのか?』というご質問がよくあります。『仕事以外にスーツなんか着ないよ!』というご不満もごもっともです。
 特に平成25年度の改正で給与所得者の給与収入から差引くことができる『特定支出』に『勤務場所において着用することが必要とされる衣服を購入するための費用』が加えられたため、これを耳にした自営業者の方が、だったら個人事業主も、認めてもらおうと思ってのご質問です。
 もっとも、こちらの『特定支出』もハードルが高そうです。国税庁の説明では、勤務場所において、背広などの特定の衣服の『着用が慣行』があるときなどは、直接必要なものであることについて給与等の支払者による証明が必要とされています。

●必要経費・家事費・家事関連費の区別

 個人事業者については、業務に関連があり必要性が認められる支出は『必要経費』とされますが、それ以外のものは所得税法のいい方では『家事費』とされ『必要経費』とすることはできません。問題は『必要経費』と『家事費』が混在する『家事関連費』です。これは業務上必要な部分を合理的な按分基準を示すなどして、経費部分を自ら明らかにする必要があるのです。

●被服費の必要経費性の判例

 被服費に関しては、昭和49年の京都地裁判決があります。この判決では、被服費は、

(1)誰もが必要であること、
(2)個人の趣味嗜好が入ること、
(3)耐用年数にかなりの個人差があること

 から『家事費』と考えることが一般的状況としながらも、警察職員のように職務命令で着用し、職務以外では着用できないものもあるため、そのような特殊な職業ではなくとも、

(1)職務で専ら着用し、
(2)地位・職種に応じ勤務上、一定の種類・品質・数量以上の被服を必要

 とするケースにおいては、『家事費』ではなく、『家事関連費』とするのが相当であるという判断を示しています。
 しかし、この裁判では納税者は『業務上必要な部分』を自ら明らかにすることはできず、必要経費とはされませんでした。

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「相続時精算課税と暦年贈与 暦年は谷型、精算は山型」 Vol.386 2014年1月14日発行

●相続税がバクチを取り込む

 相続時精算課税は、当初は期待を込めて適用する人がそれなりにおりましたが、受贈財産である不動産や株式が相続時に大幅な値下がりをしていても、逆に、大幅に値上がりしていても、相続財産として合算される金額は贈与時の時価となることになっており、相続税にこのようなバクチ的要素が持ち込まれていることに、リスクを察知しているからではないかと、思われます。


●孫への制度拡張が起死回生策となるか

 平成27年以後の贈与から、相続時精算課税制度の適用対象が孫にまで拡大されることになりましたので、その年からは選択適用者数の減少が増加に転ずると期待されているのでしょうが、多分、期待に反して減少傾向に歯止めがかからないことになるのではないかと推測されます。

●相続時精算課税が今後とも不人気の理由

 平成27年以後の相続税の基礎控除40%カットによって、相続時精算課税制度の絶対的適用有利者である、相続税のかからない層に属する人数が圧縮されます。
 また、平成27年以後の相続税の高額納税者への税率アップで、最高税率に近い人ほど、相続時の追加納税が大きくなるので、相続時精算課税制度を敬遠することになると思われます。
 それに孫は1親等の血族ではないため、相続税の2割加算の対象者となり、事前に20%で納付していた贈与税と、55%×1.2=66%となる相続税額との差額を追加納税する必要となる場合があり、有利選択とはなりにくいです。
 逆に、平成27年以後の贈与税では、20歳以上の孫ならば、暦年贈与の税率が緩和されるので、それを利用して、中長期にわたる贈与を実行していくほうが、有利選択になると思われます。

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「気を付けたい開業2期目の消費税スタンス 「特定期間」判定と簡易課税選択」 Vol.385 2014年1月10日発行

●H23消費税法改正と届出提出の早期化

 H23消費税法の改正により、このH25.1.1以降開始課税期間から、消費税の納税義務の判定項目に『特定期間』(上半期)の課税売上高(又は給与等支払額の合計額)も加わったため、従前の制度に比べて1年前倒しで課税事業者となる事業者が増えることとなりました。このことは、取りも直さず簡易課税の選択等の届出やその選択の判断時期も早まることを意味します。開業する個人事業者や新設法人では特に留意して頂きたい点です。

●開業個人事業者の簡易課税選択届出書

 まず、新規開業の個人事業者のケースでは、開業日が1/1~6/30の場合には、納税義務の判定に『基準期間』の他に『特定期間』による判定項目が加わります。
 そのため、次のように開業年の特定期間の課税売上高及び給与等支払額が1,000万円超となるケースでは、開業2年目は課税事業者となります。

開業年・6/30まで開業
(免税事業者)   2年目      3年目

基準期間1000万超     →      課税事業者
特定期間1000万超→ 課税事業者

 この場合、2年目で簡易課税を選択するときは、適用課税期間(2年目)の初日の前日まで(つまり開業年中)に簡易課税選択届出書を提出しなければなりません。
 尚、7/1以降の開業の場合、特定期間の課税売上高等がないため、2年目は免税事業者となります(従前通り3期目からの課税です)。

●新設法人の簡易課税選択届出書

 資本金1,000万円未満で新規設立した法人についても同様に、第2期目で簡易課税を選択する場合には、第1期中に簡易課税選択届出書を提出しなければなりません。

第1期(7ヶ月超)
(免税事業者)          第2期      第3期

基準期間(年換算)1000万超      →    課税事業者
特定期間1000万超       →課税事業者

 尚、設立事業年度が7ヶ月以内の法人については、『特定期間』による判定は行わず、第2期目は免税事業者となります。

※ H26.4.1以後に基準期間相当期間の課税売上高5億円超の法人が子会社を設立する場合等には、『特定新規設立法人の納税義務の特例』により、第1期から課税事業者とされる改正が行われています(H24改正)。

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